ナイキはいつだってしれっと去っていく
ナイキがゴルフ部門から一部撤退するというニュースを知った。アパレルとフットウェアは継続するが、クラブとボール事業から徹底するらしい。
ナイキはいつだってそうだ。
金(かね)のにおいがするカテゴリーにやってきてはブランド力とマーケティング力とデザイン力と、そして資金力でトップアスリートを次々囲って市場をドミナントしようとする。でも、そのスポーツの未来が先細りで、儲けにくくなってきたら、あっさりやめて、しれっと業界から去っていく。
スイムの時もそう、スノーボードの時もそう、アクションスポーツ業界の若いアップカマーをサポートしていくとか言っときながら数年でフェードアウトしたNIKE6.0の時だってそうだった。
ナイキには、スポーツの未来をアスリートやファンとともに育てて発展させていこうとか、総合スポーツメーカーとして支えていこうという姿勢が見えないことが多い。平たく言うと、ナイキにはスポーツへの愛が足りないように見える。デザインやテクノロジーには魅力を感じ共感する所も多いが、もうちょっと、経済や産業としてだけでなく文化としてのスポーツの側面にも目を向けてほしいと、ひとりのスニーカー愛好家として思う。